2020年8月18日
第二回目の、公開質問状を
重光昭夫ロッテ会長宛てに送付いたしました。
返答期限を、2020年8月31日としています。
※内容は以下の通り
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2020年8月18日
株式会社ロッテホールディングス 代表取締役社長兼会長
重 光 昭 夫 様
反 D C M T Japan
代表 ○○
公 開 質 問 状
時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
当団体は、2016年に創設された、日本そして世界の動物環境問題を広く扱う動物環境保護団体です。とりわけ犬猫肉産業を動物虐待問題の基幹的な部分の1つとして位置づけており、無限な知識へのアクセス、情報の正確性、ディスカッションや自由な活動の機会を設けることを目的とし、主に翻訳や情報発信に従事しています。
さて、このたび貴社の元会長である故・重光武雄氏がゴルフ場建設の名目で韓国の仁川市・桂陽区に所有していた土地で、違法犬肉業者が土地の一部を賃借し、約30年間違法犬肉養殖農場として利用していた事実が韓国のメディアにより2020年6月1日に公開された問題で、2008年から2019年までは韓国ロッテ社の公式所有地であり、その間も違法犬肉農場が経営されていた事実が判明しています。
非人道極まりない不法犬農場は、事実上ロッテ側の「土地管理不履行」という過失によりこれまで数十年間営まれてきました。その結果、多くの動物たちはひどく苦しみながら容赦なく惨殺されていきました。中には盗まれたペット犬も犠牲に含まれていたとのことです。この件に関してロッテは、屈指の企業集団として当然の社会的責任が問われています。
この件について、私共はさる6月6日付で、重光昭夫ロッテ会長宛に陳情及び公開質問状を提出いたしました。しかし大変遺憾なことに、この質問状にたいし2020年6月26日までの回答を求めていたにも関わらず、2か月以上経過する現在も未だ貴社からの回答を得ておりません。質問内容はいずれも回答が出来る範囲だったはずです。これに次いで、日本全国一般市民からの「農場の犬たちの救助」を求める1,087枚ものカードが東京本社の現会長宛てに届けられました。さらに、ロッテ東京本社前、大阪、名古屋支店前、韓国ロッテデパート前にて、日本・韓国市民たちによる「犬の保護」を求める一斉デモが開催され、同時に、ロッテのSNSに犬たちの救助を求める740件ものコメントが世界中から残されました。しかしロッテは、それら日本や海外からの哀願にも耳を貸すことなく、未だ何の回答もしていません。このような非常識な対応は、一消費者である市民として、看過できるものではございません。
ロッテ側は、違法犬農場について初めて認知したのは2020年1月と主張していますが、農場は年間5,000人もが訪れる桂陽山の人気ハイキングコースから丸見えの場所に位置しており、常時犬の吠え声も聞こえていたという多くの証言もあります。「ロッテ牧場」の看板が立てられた不法犬肉農場については実際にこれまで多くのハイカーや周辺住民たちが当局に通報してきました。それにも関わらず、ロッテは、自分たちが関与する土地で違法犬肉農場が営まれている事実を始めて知ったのが、今年の1月という。残念でなりません。
メディアで公となった当初は、ロッテ側は「知らぬ存ぜぬ」で一貫しその責任を認めることはありませんでした。しかしその後、「土地の所有が2019年にロッテ元会長へ公式に移動した後も韓国ロッテ副会長と仁川市議員との間で土地を巡る交渉が数度にわたりおこなわれた」という事実が判明し、それも含め、ロッテは企業として農場とは無関係だとは断じて言い難い、それでは通用しないと、世評はロッテへの責任問題へと発展しました。そして責任を追及されたロッテは、7月3日に、韓国メディアを通じて「買い取る形で農場にいる250頭すべての犬の命を救う」と発表しました。
しかしながら、発表後も、ロッテは犬たちのために1円も支払わず、何の措置もおこないませんでした。その間犬たちは、毎日数頭ずつ犬屠殺場へ売られ殺されていきました。このようなロッテの犬に対するネグレクトが再度世に知られたのは、数週間後のことでした。
この事実を知った韓国市民団体CAREは、急遽、犬たちの常備管理と世話を開始しました。
それに次いで1人の米国市民は、不法犬農場主に対して、他のビジネス着手金として330万円を支払い、不法犬農場を閉鎖する契約を交わしました。
その後、さらに世間から責任追及されていたロッテは、全犬を保護するための必要な敷地面積やコストなどの見積の算出を団体CAREに求め、7月15日に回答を得ました。
するとロッテは、「CAREの回答は自分たちの想定を遥かに上回る」と主張、態度を急変し、8月上旬に「犬購入費の330万円とドッグフード20トン提供でこの件を終了したい」旨を伝えてきました。
しかし今後の犬たちの住処、ドッグフード、常備管理人兼世話役が継続的につながらない限り、犬を保護したことにはなりませんし、劣悪な環境に囚われていた250頭の中型犬や大型犬が健康を取り戻し、余生を生き抜くためには、330万円では到底足りる金額ではないことは一目瞭然です。
それにも関わらずロッテは、「あとはよろしく」とばかりに生きものの命に関わる問題を一般市民に丸投げしようとしています。
その後もロッテ側は犬農場に残された犬たちをずっと放置してきた為、韓国の一般市民たち数十名が幾度にもわたり全国から桂陽区の農場へ集まり、豪雨の中でも犬たちの世話に勤しんでいる現状です。
さらにロッテは、2014年にネスレ社との合併会社を設立し、ドッグフード会社「ネスレピュリナ」の経営に携わっています。しかし「ピュリナ」は、市民たちの要求を頑なに拒みドッグフードの1粒さえも元犬農場の犬のために提供していない話は有名です。現在不法犬農場に残された250頭の心配をしているのは、ピュリナ社ではなく、ナチュラル・コア社をはじめとする他の複数のペット関連会社です。それらのメーカーは、桂陽区ロッテ関連土地内元不法犬肉農場に残された哀れな犬たちのために数十トンものドッグフードをずっと寄付し続けています。
貴社の企業理念には、「私たちはみなさまから愛され、信頼される、よりよい製品やサービスを提供し、世界中の人々の豊かなくらしに貢献します」とあり、「私たちは、グローバルな視点で環境問題に配慮した企業活動を行います」、「私たちは、環境負荷の軽減や環境保全を推進します」、さらに、「海外でも社会貢献を推進します。私たちは、国際ルールや現地の法律を遵守するとともに、現地文化や慣習を尊重し、関係各国・地域の発展に貢献します」とあります。加えて、貴社の「オーストラリア・コアラ募金」は、コアラの減少を懸念して動物保護のために設立されました。
これらの企業理念や公益活動を順守されているからこそ、貴社の製品・サービスはこれまで日本国内のみならず世界的にも名声を得てきているのではないかと拝察いたします。環境保全・動物保護を活動中心とする当団体といたしまして、貴社による国内外の優れた活動に深甚なる敬意を表します。
しかしながら、貴社の韓国の犬たちへの態度はこれに反するものであり、企業理念にある「環境保全」、「動物保護精神」、そして「各国発展に貢献」等に背いていると断じざるを得ません。韓国市民の7割以上が、韓国犬肉産業・犬食文化を拒絶している事実が最近の調査で判明している現状であり、コアラの命も犬の命も1つの掛けがえない命で両者に違いはないはずです。
仁川市のロッテ関連土地の一角でひっそり営まれていた違法農場では、野菜の栽培がされていた訳ではありません。盗まれたペットを含む「犬」が不法に食用飼育されていたのです。韓国では、犬農場や屠殺法に関わる規制は設けられておりますが、いずれも違反に対する処罰は非常に緩く、中には「罰金を払ってでも違法運営を続けるほうが儲かる」と開き直る犬肉商人も多く存在します。犬たちは、盗まれ、屠殺される日まで狭くて不衛生極まりない高床式の犬舎に詰められ、極寒極暑でも覆いをされることもありません。また、腐った人間の残飯を食べさせられ、水さえ与えられず、すぐに死なないために大量の薬物が投与されるなど、農場の犬たちは、想像を絶する酷い扱いを受けています。さらに、白昼に公然と、犬は仲間の犬たちの目の前で吊るされ、殴打され、電気ショックを与えられ、生きたまま熱湯に放り込まれ、さらに、生きたままガスバーナーで炙られ殺されることもあります。未だに韓国でも一部の犬肉業者は「犬は死ぬ時に苦しめば苦しむほど肉の旨味が増す」と信じているため、犬たちは屠殺前に意図的に極度の恐怖と甚だしい苦痛を与えられています。ロッテはそんな蛮行に多少なりとも片棒を担いでいたというわけです。
さらにロッテは、「数か月間、犬の存在に気付かず放置していた」訳ではありません。ロッテ側が敷地管理を怠り犬の存在に気付かなかったのは、実に、30年間もの長い年月です。
これらの過失をロッテ自身が解決せずに、正義に生きる一般市民へ責任転嫁しようとする姿勢について、世間が理不尽さを感じるのも当然だと言わざるを得ません。
この問題は、金額の問題ではなく、一定量のドッグフードをわたせば済む問題でもなく、1番肝心なことは、生きもの並びに消費者に対する貴社の誠意です。
ロッテがこれまで1円もしくは1粒のドッグフードさえも犬たちに与えてこなかった間、犬たちがどうやって生き延びているのかロッテは考えたことはありますか? 「犬好きな市民が集まってお金を出し合い犬の世話等をしている」、それとも「犬なんて死んでしまってもいい」等と考えていたのでしょうか? いずれにしても、オーストラリアのコアラに対しては「コアラのマーチ」を掛けて公益活動に勤しみ、貴社が要因である不幸な韓国の犬たちに対しては、冷淡な態度を貫く、これは矛盾以外の何ものでもありません。
そして、ロッテがやるべき犬たちの面倒を押し付けられ、現在必死に動き回っているのは、一般市民であるロッテの消費者です。日本からも多くの消費者がロッテ関連犬農場の犬たちのために寄付をおこなっています。すべては元であるロッテが責任を負うのが筋なのに、実際には、なんの要因でもない一般市民がその役割を担っています。これでは世間がロッテに不信感を抱くのも当然といえます。
ここにおいて、以上の事実関係ならびに認識を踏まえまして、貴台宛に公開質問状の形式にて質問を提示し、ご回答を要請する次第です。
※情報元:韓国アニマルライツ組織CARE, MBC放送, 新韓メディア, 京仁日報, FN TODAY, その他
記
回答期限 2020年8月31日
回答の様式 文書による
回答送付先 反DCMTJapan 代表 〇〇
〒○○-○○ ○○○○○
質 問 内 容
1.貴社は、「ロッテはお金を支払い、ドッグフードを渡せばそれで責任は果たした」と考えているようですが、その考えに至るまでの経緯の詳細をお示しください。特に、ロッテ関連元犬農場の犬たちの不幸の主な要因となっている貴社の責任問題に対する考えを中心に、端的にお答えください。
2.わたしたち多くの日本人も、桂陽区の元犬農場に現在残された250頭の犬たちの余生について、その責任を、主因となっている貴社が最後まで持つべきである、一般市民へこれ以上責任を押し付けるべきではない、と考えています。その件に関する貴社のお考えを具体的にお示しください。
以上