自然環境、野生動物、愛玩動物などに対する犯罪調査、告発、啓発活動に従事するLIA (Life Investigation Agency)と、動物虐待問題を基幹とした情報のアキュラシーなどを目的に翻訳や情報発信に従事するPCA(Power Of Compassion for All おもいやりのちから)は共同で公開質問状を和歌山県知事である仁坂吉伸知事に送付いたしました。
※PCAは反DCMTJapanの親団体
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以下はその内容です
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令和3年1月20日
和歌山県知事 仁坂吉伸 様
NGO Life Investigation Agency (LIA)
代表 ヤブキレン
一般社団法人 Power Of Compassion for All
公 開 質 問 状
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(前略)
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この子供のミンククジラは、令和2年12月24日に定置網に誤って入って以来19日間彷徨いながら無我夢中で出口を探し求めました。8日目より不安とストレスから小さなエリアをいたずらに回り続ける常同行動が始まり、肉体的にも精神的にも追いやられ、衰弱していきました。
ミンククジラの寿命は通常50年ほどと言われております。海に解放さえされておればまだ数十年間生きたであろう小さな命に関して、日本国内そして海外から多くの嘆願や要請、批判などの声が相次ぎ、和歌山県知事宛てに届けられたと思います。それにも関わらず「屠殺」に至った結末を受け「和歌山県知事に無視された。まったく聞き入れてもらえなかった。失望した」の感情が色濃く残り、和歌山県と太地町に対する国内外からの怒りの炎はますます燃え滾っている現状です。
真実を明らかにすべく公的立場から、最も残酷な屠殺法に至った経緯などについて、具体的かつ端的に伺いたく公開質問状を書いている次第です。
子供のミンククジラは、和歌山県太地町の海に設置された漁網に約3週間閉じ込められ、衰弱させられた挙句に、20分間に及ぶ窒息を強いられ、溺死させられました。徹底的に苦しめられ殺害された事実は瞬く間に世界的ニュースとなり、海外主要メディアによってどんどん拡散されています。海外メディアの内容は、太地の現場で観察をおこなった、NGOで動物問題の調査に実績のある動物・環境保護組織LIA(ライフ・インヴェスティゲーション・エージェンシー)の調査データをもとに発信された嘘偽りのないものです。それはオーストラリア、ニュージーランド、フランス、イギリス、キプロス共和国、ドイツ、ポルトガル、ルクセンブルク、アメリカ、中国、韓国、マレーシアを含む12か国以上の主要報道機関により配信され、記事数は現時点で数十件にも及びます。現在も尚、流布され続けています。
実際に太地水産共同組合が子供のミンククジラを逃がそうと試みたのは、令和2年12月24日の1日だけで、しかも僅か10分ほどだけという事実が調査記録に残されています。
和歌山県は、国内そして世界各国からの声を尊重し敬意を払うべきだと思います。以下は国内外から寄せられた莫大な数のメッセージを抜粋したごく一部です。
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「ミンククジラは食肉として高く売ることができるので、太地の漁師たちはクジラが死亡するのを待っていた」。
「日本や世界中の嘆願の声は無視され殺された」。
「ミンククジラを最後はあんなに酷い方法で殺し、殺しながら笑っている奴もいた。
太地の漁師は鬼か? 飢えとストレスで衰弱していくクジラの子供を思いやる心が一切ない」。
「なんという心無い野蛮行為! 嫌悪感しか湧かない」。
「残虐性を超えている。太地の漁師らは自覚している。最初からクジラを手放すつもりなどなかったのだ。私はこれらの漁師と同じ種の人間であることが恥ずかしい」。
「和歌山県の太地町は自分がこれまで見た中で最も恐ろしい場所。 この場所は本当に地獄である」。
「私は日本政府、和歌山県、そして太地漁業に失望しています。太地の漁師たちはミンククジラを生かすことはできたはずなのに、もっとも残忍な方法で拷問しながら殺した。
日本人として恥ずかしい」。
「日本の恥」。
「クジラが酷く苦しんでいる姿を見て笑う行為には非常に問題がある。 私たちは憤りを隠せません」。
「非常に残酷。 日本には動物虐待法はありますか? 動物を飢えさせ溺死させることは残虐行為です。 和歌山県知事はクジラを殺さないでという要望に逆らったことを考えると、力がないようです」。
「太地の漁師らは、自分たちは撮影されていて世界中から注目されていることを知っていた。それなのに一向にかまわない様子で笑っていた。動物が苦しんで死んでいる間、漁師らは笑っていた」。
「日本政府は間違いなくこの残虐性を防ぐことはできた。野生動物に対しては虐待したり拷問したりするのではなく保護をする必要がある」。
日本国内からの声、そして世界中からの声を知事は真摯に受け止めてください。
もし世間の見解が事実と異なり、和歌山県知事として否定される場合は、この公開質問状を機会として捉えていただき訂正して頂くようお願い致します。 わたし共は、和歌山県知事や太地の漁師たちを頭ごなしに悪者としているわけではありません。ただ真実が知りたいのです。そして世界中を納得させて頂きたいと思います。この質問状と和歌山県知事からの回答は、複数言語に翻訳し公開する予定です。 以下の質問に対して令和3年2月3日までに書面にて回答いただき、以下の住所に郵送をお願い致します。尚、2月3日までに回答いただけない場合は、その旨を公表させていただきます。また、本質問状及びご回答は、国内外の報道機関へ、またウェブサイトやSNSへ、広く公表させて頂くことをご了承よろしくお願い致します。
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回答期限: 令和3年2月3日
回答の様式: 文書による
回答送付先: (省略)
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質 問 内 容
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質問1
太地町の定置網に混獲されたミンククジラを19日間放置したあげく、1月11日に太地の漁師たちがクジラの尾を縛り窒息死させました。尾を縛りボートに繋ぐことが可能であった場合、 以下の質問に具体的かつ端的にお答えください。
➀ 漁網の入口まで牽引し、クジラを海原へ解放することは可能ではなかったのか?
② 船に繋いだ状態で移動し、網の外へ放すことはできなかったのか?
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質問2
令和2年11月29日に、令和3年12月24日にミンククジラが混獲されたものと同じ定置網にザトウクジラが混獲されました。その際は、翌日の30日に網を上げてクジラを解放しましたが、なぜ今回のミンククジラは殺して食肉にして販売するに至りましたか?
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質問3
ミンククジラを助けなかった理由として、知事は、「努力は試みたものの潮の流れが速過ぎたせいで、船で定置網に近づくことができなかった」ことを挙げられています。しかし実際には:
・令和2年12月24日以降も、太地の海では、定かに海の穏やかな日でさえクジラを逃す努力は一切見られず、船による漁業が通常通りおこなわれていた。定置網の漁師たちも、通常通り操業していた。定置網の漁師たちの操業がおこなわれなかったのは、正月休みの令和2年12月30日から令和3年1月3日までの期間と、悪天候だった12月28日、および1月6日、7日、そして8日だけです。それにも関わらず、実際にクジラを助けようとしたのは、令和2年12月24日の1日だけだった。しかも時間は、僅か10分間ほどであった。
・令和3年1月6日には、イルカ猟師たちはボートでミンククジラのいる定置網の脇を通り過ぎスジイルカの群れを入り江に追い込んだが、イルカ猟師たちはその最中に定置網に近づき、定置網に船がかりしていた船とやり取りもしていた。
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また、ミンククジラを助けなかった理由として、知事は、「クジラは出て行ってくれるどころか、どんどん何層もある網の奥の方に入ってしまって、もう出すことが困難になってきた」ことを挙げられています。
しかし実際には、1番奥のエリアにクジラが移動したのは、令和3年1月5日のことでした。つまり、既に混獲から12日間も経過した後でした。助けることが可能であった背景で、「1日の内の僅か10分間」だけではなくもっと助ける努力をしていれば、クジラは定置網の1番奥のエリアへ移動することは起こらなかった。
すなわち通常通りに漁業船も出しイルカ追い込み猟もおこなうことが出来ていた日々の背景で、「ミンククジラを助けることは努力したが、出来なかった」という仁坂知事の説明は、到底理解し難く納得することができません。この件に関して、具体的かつ端的にご説明ください。
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質問4
20分間呼吸困難に至らしめた窒息による屠殺方法は、海外の著名専門家や英国のボリス・ジョンソン首相、さらにオーストラリア政府からも辛辣な批判を浴びるほどの残忍な措置でした。以下の質問に具体的かつ端的にお答えください。
➀ それ以外の屠殺法の選択肢は何がありましたか?
② 他に選択肢が有った場合、何故その方法を実行しなったのですか?
③ それ以外の屠殺法の選択肢が無かった場合、その理由についてご説明ください。
④ ③の理由において、専門家を納得させる程度のエヴィデンスはありますか?
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質問5
クジラを放すために定置網を上げる(外す)ことで受ける漁業被害について、以下の質問に具体的かつ端的にお答えください。
➀ 被害総額は概算でいくらですか?
② 何故その被害額の救済措置としての予算を組まなかったのですか?
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質問6
和歌山県太地町のイルカ/クジラ猟がおこなわれている海は、国定公園である沿岸部を含んでいますが、和歌山県太地町は世界的汚名を返上し名誉を挽回するためにも、イルカ追い込み猟や捕鯨を廃止して、イルカ/ホエールウォッチング、ネイチャーツアー、そしてハイキングなどの観光を町の主要ビジネスに転換する計画について、知事の考えを具体的にご説明ください。
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質問7
オリンピック開催予定を前に、今回の事件や太地イルカ追い込み猟が原因で海外からの注目は例年以上に浴びている事は明白で、確実に和歌山県太地町が日本のイメージを堕落させている(既に世界中に発信されている)事実に関して、知事の見解を具体的かつ端的にご説明ください。
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ご多忙のところお手数とは存じますが、ご回答を心からお待ち致しております。
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LIA (Life Investigation Agency)